案内音声
店内放送や電話の案内をAIの声で流したい|3社の規約に「放送」は出てきません【2026年8月27日確認】
この記事の結論
- 3社とも利用規約の全文にbroadcastの語が1件もありません。規約が決めているのは商用に使ってよいかまでです。
- 電話を名指しで縛るのはMurfだけです。米国のTCPAやFCCに違反するrobocallsを禁じています。
- 無料プランのままでは3社とも流せません。止まる場所は書き出し・非商用限定・透かしで、3社とも違います。
料金・機能は2026年8月27日時点で公式サイトを確認した内容です
つまずくのは、料金ページを見ても、その音声をどこで流してよいかが書かれていないところです。Murf・ElevenLabs・Flikiの利用規約を全文取得して放送と電話にあたる語で検索したところ、broadcastは3社とも0件でした。
放送について規約が書いているのは、商用に使ってよいかまでです。流す場所では条件を分けていません。
3社とも、規約に「放送」という言葉がありません
規約が決めているのは、商用に使ってよいかまでです
| ツール | 検索したページ | broadcast | telephone | robocall |
|---|---|---|---|---|
| Murf | murf.ai/legal/terms-of-service | 0件 | 1件 | 1件 |
| ElevenLabs | elevenlabs.io/terms-of-use | 0件 | 3件 | 0件 |
| Fliki | fliki.ai/terms | 0件 | 4件 | 0件 |
2026年8月27日に各社の公開ページからHTML原文を取得し、タグを外した本文を検索して数えました。ElevenLabsとFlikiは料金ページにも同じ検索をかけていて、取得したHTMLの本文ではbroadcastがどちらも0件です。
Flikiの料金ページは金額がブラウザ側で描画される作りなので、HTMLに出ない部分は見ていません。Murfの料金ページはJavaScriptが必要な作りで、同じ検索そのものができていません。
Murfだけは、規約の外に別の扱いがあります
ただしMurfだけは、規約の外に別の扱いがあります。料金ページに、放送利用の権利がEnterpriseのアドオンとして並んでいました(Full Broadcasting Rights。
2026年8月10日確認)。2026年8月27日には同じ記載を確認できていません。
企業向けページと電話応答向けのページにはbroadcastの語が1件もありませんでしたが(どちらも2026年8月27日確認)、これは料金ページを読めていないことの埋め合わせにはなりません。
無くなったという意味ではなく、ブラウザなしでは読めなかったという意味です。
規約に無い区別が料金ページ側にあるなら、そこは契約前に営業へ確かめるところだと見ています。
電話は、Murfだけが名指しの条項を持っています
telephoneの語は3社とも規約に出てきます。ただし出てくる場所が違いました。
ElevenLabsの3件は、仲裁を申し立てる側の連絡先の記載と、カリフォルニア州の消費者局の問い合わせ先です。Flikiの4件は、13歳未満の個人情報・請求先情報・著作権侵害の通知に必要な連絡先です。
どちらも、作った音声を電話で使うことについての条項ではありませんでした(いずれも2026年8月27日確認)。
Murfの第11.2.14条だけが、使い方を定めています
Murfの1件だけが、使い方を定めた条文でした。第11.2.14条です。
「Use the Services or the Site to initiate any robocalls or other communication in violation of the U.S. Telephone Consumer Protection Act of 1991 or any Federal Communications Commission directive」(2026年8月27日確認)
禁じているのは、米国のTelephone Consumer Protection ActやFCCの指示に違反するrobocallsの発信と、同じく違反するその他のコミュニケーションです。
robocallsはこちらからかける自動発信を指しますが、条文は「or other communication」も並べているので、かかってきた電話に流す応答メッセージが対象外かどうかは、この条文からは決まりません。
ひとつ前の第11.2.13条は、spamと、同意のない、または一斉送信の商用電子コミュニケーションを禁じています(2026年8月27日確認)。
電話応答向けの紹介ページには、条件が書かれていません
Murfには電話応答向けの紹介ページもあります。
「Create professional, clear, and natural-sounding voice prompts and greetings for IVR, contact center, and other automated telephony applications.」と書いていて、この用途を想定していること自体は明示されています(2026年8月27日確認)。
ただしこのページには、商用利用の条件も放送利用の権利も書かれていません。
無料プランでは、3社とも流せません
店で流す案内は事業のための音声なので、非商用には当たりません。3社とも、無料のままでは機材に入れて鳴らせません。
止まる場所は3社で違います。
Murfは無料プランでは書き出しそのものができません。
ヘルプセンターが「The ability to download and export projects is only available with a paid plan.」と書いています。
ElevenLabsは規約の第1条(c)で、無料で使う利用者をFree Userと定義し、非商用の目的にしか使えないと定めています。Flikiは料金ページの無料プランに「Includes Fliki watermark」と書いています。
商用利用の権利も有料プランに付きます(いずれも2026年8月27日確認)。
無料枠でどこまで作れるかと、商用利用の条件そのものの横並びはAIナレーションを日本語で作る記事に表でまとめています。
Murfは古い版の利用規約が、別のURLで公開されたまま残っています
Murfの公式サイトには、利用規約のページが2つあります。
アンダースコアのmurf.ai/resources/terms_of_service/は現行版(murf.ai/legal/terms-of-service)へ301で転送されます。
ハイフンのmurf.ai/resources/terms-of-serviceは転送されません。200を返して別の文書を表示します。
表示されるのは「Terms of Service - 3」「December 18, 2023」「Effective from 1st August 2022」という版でした(2026年8月27日確認)。
中身も同じではありません。契約が終わったあとに存続する条項の列挙が違います。
| 版 | 存続する条項として列挙されているもの | robocallsの条項 |
|---|---|---|
| 現行版(murf.ai/legal/terms-of-service) | 第6条・第8条・第10条・第11.2条 | 第11.2.14条にある |
| 旧版(murf.ai/resources/terms-of-service) | フィードバックを使う権利・第6条・第8条・第9条・第10条・第11.2条 | 該当する条項がない |
どちらも2026年8月27日に取得して読み比べました。旧版は第9条とフィードバックを使う権利の2つを多く挙げていて、電話についての禁止条項は持っていません。
同じ会社の同じドメインで、条文の中身が違うものが2つとも公開されたままです。どちらが契約として効くのかは、規約のページからは分かりませんでした。
検索から規約にたどり着いたときは、URLと日付を先に見るのが安全です。契約の根拠として条文を引くなら、どちらのURLを読んだかを記録に残す手間が、Murfでは1つ増えます。
Murfの対応言語数が公式内で割れている件はMurfの記事にまとめています。
ElevenLabsは書き出しの音質を料金ページに数字で出しています
案内音声は、作ったあとにファイルとして機材へ入れます。そこで効くのは形式と音質です。
ElevenLabsは料金ページに数字を出しています。無料プランとStarterが128kbps・44.1kHz、Creator以上が128kbpsと192kbps・44.1kHzです。
ページ内の説明は「Standard audio at 128kbps suits most needs; higher quality at 192kbps, 44.1kHz, meets audiobook standards.」となっています(2026年8月27日確認)。
192kbpsをどこから使えるかは、同じページの中で割れています
ただし192kbpsをどこから使えるかは、同じページの中で書き方が割れています。プランのカードはCreatorを「128 & 192 kbps (via API), 44.1kHz」と書き、経路をAPIに限っています。
Proのカードは「128 & 192 kbps (via Studio & API), 44.1kHz」で、画面からも使えると読めます。
ところが下の比較表の音質の行は、Creator以上をどれも「128 & 192 kbps, 44.1kHz」とだけ書いていて、経路の限定がありません(2026年8月27日確認)。この記事はカードの区別を採ります。
カードのほうが経路まで書き分けているためで、画面から192kbpsで書き出すならProからと読みます。比較表がその区別を落としているので、契約前に画面で確かめるのが確実です。
なお44.1kHzのPCM出力をAPIから使えると機能一覧に書いているのは、Proのカードだけです。
比較表にも「WAV / PCM 44.1 kHz」の行はありますが、各プランの値がアイコンで描かれていて、取得したHTMLからは読めませんでした。どのプランから使えるかは、この2箇所を合わせても確定していません(2026年8月27日確認)。
残る2社は、同じ場所に数字がありません
残る2社は同じ場所で比べられていません。Flikiは料金ページを読んだうえで、音質の数字がありませんでした。
Murfはヘルプセンターの書き出しのページに記載がなく、料金ページはJavaScriptが必要な作りで読めていません(いずれも2026年8月27日確認)。
ElevenLabsの数字は料金ページから取っているので、Murfについては同じ場所を確かめられていません。
機材の側で音質の要件が先に決まっているなら、数字が公開されている会社から当たるのが早いと見ています。
流し始める前に決めておくこと
流し始めるまでに通る門
規約が場所で分けていない以上、こちら側で押さえる順番は3つです。
- 有料プランで作る
- 書き出したファイルを自分のストレージに置く
- 契約を止めたあとの扱いを、契約前に確かめる
有料プランで作る
3社とも、事業として流すなら有料プランからです。
書き出したファイルを自分のストレージに置く
Murfは第3.2条で、保管サービスではないと明記しています(2026年8月27日確認)。
契約を止めたあとに機材へ入れ直す場面では、手元のファイルだけが頼りになります。
契約を止めたあとの扱いを、契約前に確かめる
案内音声は流しっぱなしになるので、解約しても店内では鳴り続けます。3社とも終了について条文は持っていますが、書いている範囲が違います。
Murfの第7条は、終了するとサービスにアクセスして使う権利を失うとだけ定めていて、作った音声の扱いには触れていません。ElevenLabsは未使用クレジットの失効だけです。
Flikiだけが、コンテンツを使う権利まで書いています(いずれも2026年8月27日確認)。条文ごとの比較は研修や教材にAIナレーションを使いたい記事にあります。
3番目が、この用途に固有の落とし穴です。動画なら公開を止めれば使用も止まりますが、店内放送と電話の応答は、こちらが意識しないかぎり止まりません。
先に決まっている条件があるなら、当たる順番も変わります。
| 先に決まっている条件 | 先に当たる会社 | そう言える根拠 |
|---|---|---|
| こちらから自動で電話をかける使い方も含む | Murf | 3社で唯一、その線引きを条文で持っています(第11.2.14条)。残る2社は規約に判断材料がないので、契約前の問い合わせが要ります |
| 機材の側で音質の要件が決まっている | ElevenLabs | 料金ページにプラン別のビットレートとサンプルレートが出ています。残る2社は同じ場所に数字がないか、ページを読めていません |
| 止めたあとも鳴らし続ける前提 | Murf | 解約後も商用利用の権利は有効(生涯)とヘルプセンターに明記しています(2026年8月26日確認)。ElevenLabsとFlikiのヘルプセンターには到達できておらず、同じ記載があるかは確認できていません。ただしMurfも規約の存続条項には商用利用の第5条が入っていません。Flikiは逆向きで、アカウントを終了するとコンテンツを使う権利が直ちに終了すると規約に書いています。ElevenLabsはどちらの記載もありません |
どれも2026年8月27日に確認した条文と料金ページによります。3行とも「先に決まっている条件があるとき」の話で、条件が決まっていないなら順番はつきません。
Murfの公式サイトで最新の料金プランを確認する(無料プランでは書き出しができず、商用利用の権利は有料プランに付きます。2026年8月27日確認)
ElevenLabsの公式料金ページで最新のプランを確認する(商用ライセンスは有料プランから付きます。2026年8月27日確認)
Flikiの公式サイトで最新のプランを確認する(無料プランには透かしが入り、商用利用の権利は有料プランに付きます。2026年8月27日確認)
確認が済んだら追記すること
この記事で確定できなかったことが5つあります。
| 確定できていないこと | なぜ確定できていないか | どう確かめるか |
|---|---|---|
| Murfの料金ページに放送利用の権利が今も並んでいるか | 2026年8月10日にはEnterpriseのアドオンとして確認したが、料金ページはJavaScriptが必要な作りで当日の再確認ができなかった。いまのプラン名の並びも同じ理由で判定していない | ブラウザで料金ページを開く |
| ElevenLabsで画面から192kbpsを選べるプランと、44.1kHzのWAV・PCMを使えるプラン | 192kbpsはプランのカードがProからと読めるが、比較表は経路を書いていない。WAV・PCMは比較表に行こそあるが、各プランの値がアイコンで、取得したHTMLからは読めなかった | 実際に書き出す |
| MurfとFlikiの書き出しファイルの形式とビットレート | Flikiは料金ページに数字がなく、Murfは料金ページ自体を読めていない | 書き出したファイルの実物を見る |
| ElevenLabsとFlikiの料金ページに、放送利用のアドオンに当たる欄がブラウザ上で出るか | 取得したHTMLの本文にbroadcastの語はないが、金額のようにブラウザ側で描画される部分は見ていない | ブラウザで料金ページを開く |
| 規約に記載のない使い方を各社がどう扱うか | 3社とも利用規約に、店内で繰り返し流す使い方を想定した記述がない。ヘルプセンターまで含めて確かめられたのはMurfだけ | サポートの回答を書面で取る |
金額の大きい導入なら、5つ目は先に済ませておくところです。
よくある質問
無料プランで作った音声を、店内で流せますか
3社とも流せません。Murfは無料プランで書き出しができず、商用利用の権利も有料プランに付きます。
ElevenLabsは無料利用を非商用の目的に限っています。Flikiは無料プランに商用利用の権利がなく、透かしも入ります(いずれも2026年8月27日確認)。
店で流す案内は事業のための音声なので、非商用には当たりません。
電話の応答メッセージにAIの声を使ってよいですか
3社の規約に、応答メッセージを名指しで禁じる条項はありません。有料プランを契約している間は、商用の目的に使えます。
ただしMurfの第11.2.14条は、米国のTelephone Consumer Protection ActやFCCの指示に違反するrobocallsの発信と、同じく違反するその他のコミュニケーションを禁じています(2026年8月27日確認)。
こちらから自動でかける使い方はこの条項の対象になり、かかってきた電話に流す応答メッセージが対象外かどうかは、条文からは決まりません。
契約を止めたあとも、店内で流し続けてよいですか
まず、更新の解約とアカウントの終了は別の手続きです。更新の解約なら3社とも、現在の契約期間の終わりまでは使えます。
Flikiは「You will be able to access the Service until the end of Your current subscription period.」と書いています(2026年8月27日確認)。
分かれるのはアカウントを終了したときです。
条文を持っているのはFlikiだけで、「Upon termination of your account, your right to use the Services, access the App, and any Content will immediately cease.」と書いています。
ただし同じ規約が、性質上存続すべき条項として所有権の条項を挙げてもいて、2つは逆を向いています(いずれも2026年8月27日確認)。
MurfとElevenLabsは、契約期間が終わったあとに有料期間で作った音声をどこまで使ってよいかを規約に書いていません。
Murfはヘルプセンターが、サブスクリプションが終わったあとも商用利用の権利は有効だと答えています(2026年8月26日確認)。
ElevenLabsとFlikiのヘルプセンターには2026年8月26日時点で到達できておらず、同じ回答があるかは確認できていません。
条文ごとの比較は研修や教材にAIナレーションを使いたい記事にまとめています。
放送利用の権利を別に買う必要はありますか
3社の利用規約には、放送利用を別枠にする条項がありません。料金ページのHTMLでも、ElevenLabsとFlikiはbroadcastの語が0件でした(いずれも2026年8月27日確認)。
Murfだけは料金ページ側に、Enterpriseのアドオンとして放送利用の権利が並んでいました(2026年8月10日確認)。
規約に無い区別が料金ページにある状態なので、テレビやラジオでの放送を含む案件なら、契約前に各社へ確認するのが確実です。
この記事の数字の出所
利用規約
Murf・ElevenLabs・Flikiの利用規約は、2026年8月27日にMurfの利用規約・ElevenLabsの利用規約・Flikiの利用規約からHTML原文を取得し、タグを外した本文を検索して確認しました。
参照した条項は、Murfが第2.5.2条・第3.2条・第5条・第7条・第11.2.13条・第11.2.14条、ElevenLabsが第1条(c)・第6条(a)、Flikiが更新の解約の節・アカウントの終了の節・存続条項の節です。
更新の解約で契約期間の終わりまで使えることは、この3つの条項と節で確認しました。broadcast・telephone・robocallの各語の出現数も、同じ手順で数えています。
Murfの旧版の規約は、同じ日にmurf.ai/resources/terms-of-serviceから取得して現行版と読み比べました。
ヘルプセンター
Murfのヘルプセンターは、robots.txtが公開しているヘルプ用のサイトマップから該当ページを見つけ、同じ日にHTML原文を取得しました。
参照したのは無料トライアル中のダウンロードのページ・商用利用の権利のページ・書き出しのページ・権限のページの4ページです。
解約後の商用利用については、2026年8月26日に取得した解約後の商用利用のページを使っています。
電話応答向けの紹介ページはmurf.ai/voiceover/ivr-voiceを同日に取得しました。
料金ページ
ElevenLabsのプラン別の音質と説明文、Flikiの無料プランの透かしと商用利用のFAQは、2026年8月27日にElevenLabsの料金ページとFlikiの料金ページで確認しました。
Murfの料金と放送利用の権利は2026年8月10日に確認したもので、料金ページがJavaScriptを必要とするため当日の再確認ができていません。解約後の扱いについてのMurfのヘルプセンターの回答は2026年8月26日に確認しました。
各ツールの詳細はMurfの記事・Flikiの記事・ElevenLabsの日本語対応の記事に、商用利用の条件そのものはAIナレーションを日本語で作る記事にまとめています。
改定を見つけたときは、本文と結論と確認日を同時に更新します。